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いい歯医者とは

いい歯医者紹介してよ というフレーズをときどき耳にします。

 

自分も先日 足を痛めて整形外科受診が必要になったときに、いい整形外科はどこかないかな と考えました。

 

自分にとっていい整形外科は、「職場からなるべく近いこと」が最重要事項でした。

仕事の合間に受診できるようなところが最適だったのです。

 

自分は歯科、口腔外科専門ですので、整形外科の先生の腕がどうか はわからないのです。そのため、地理的、時間的アクセスの良さが探す基準になりました。また、状態もふくらはぎ肉離れという、非常によくある疾患だったのであまり専門性による差がないのではないかと考えました。ということで、勤務先から一番近い整形外科に通院しました。

結果的に良かったと思っています。

 

いい歯医者どこかない?というときに、「その人が、どんな歯医者をいい歯医者と考えるか」

について明らかにする必要があります。

 

今回の自分にとってよい整形外科は「勤務先からすぐに通院できること」がよい整形外科でした。もっと親切な、あるいは腕のいい整形外科であっても遠いようでは仕事を休む必要が出るし通院の時間も交通手段も問題になります。

 

いい歯医者ない?というその人にこたえてあげるには、「じゃあ、あなたにとって良い歯医者とはどんな歯医者なの?」ということを聞かなくてはなりません。

 

Aさんは、以前に神経を抜いた歯が痛くて困っているとしたら、Aさんにとっていい歯医者とは、顕微鏡などを駆使して生物学的に結果の出せる根管治療専門医がいい歯医者であることになります。人当たりがよい優しい歯科医であっても、ラバーダムをしない、顕微鏡も使えない一般の歯科医であれば、Aさんにとって、いい歯医者とはなれないでしょう。

 

前提としていることは、根管治療分野においては、専門医であるか、(専門的根管治療の概念を理解していない)一般歯科医であるかで、治療結果に歴然と差があるという事実です。

 

歯科医であれば、どこの先生でも、どの歯科治療分野であっても、そう大差ない治療をしてくれるものだろう。だって日本では保険診療でルールが決まっていてどこでも同じ費用でしょ。

歯科の専門医制度が先進国としては遅れている日本では、そう思っている方が実は多いのかもしれません。

自分も歯科医となって経験を積むまでは、そう思っていました。

 

しかし残念ながら、歯科医によって、治療結果に大きな差が出ることが多いというのが自分の印象ですし、このことは、海外留学して専門歯科医となって帰国している先生などにしてみれば歴然とした事実です。

 

歯学部学生のころはまだは歯学部病院で勤めている歯科医はひとくくりに優秀だろうと思っていました。

大学の講師の先生の臨床ですら、最近の自分の診断では不良だから再治療しなければならないということがあります。この差は卒後の研修した内容によります。

 

前にも書きましたが、たかが歯科の疾患であっても、その状態に対しての診断の時点でも大きな差があるのです。

 

いい歯医者といっても、誰の場合かによって大きく違う というのが結論です。

 

知識のある人は、顕微鏡を使って質の高い治療をしてくれる歯科医がいいという人もいるでしょう。

 

とにかく早く治療して早く終わって安い保険中心の歯科医がいいという人もいるでしょう。

 

整形外科を探した自分のように、通勤先から近いところが最優先という人もいるでしょう。

 

歯周病になりやすい方であれば、ある程度キャリアのある歯科衛生士が長く担当してくれうようなところがいい歯科医でしょう。

 

親知らずが痛くて困っている方にとっては、ある程度、口腔外科の経験のある歯科医がいい歯医者でしょう。

 

話好きの患者さんにとっては話好きの歯科医やスタッフの多い歯科医院がいい歯医者かもしれません。

 

子供と一緒にかかりたい人であれば、キッズコーナーなどが充実しているところがいい歯医者かもしれません。

 

「自分はどのような歯医者をいい歯医者と思うか」をまずは書き出しましょう。

工藤歯科