親知らず・歯科口腔外科
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親知らず
親知らずが原因で痛みが出たり、歯肉が腫れたり、口が開かなくなったりすることがあります。次のような場合には抜歯をした方がいいでしょう。
- 半分顔を出したままでは食べ物がつまりやすく、親知らずの手前の奥歯の虫歯が進行。
- 親知らず周囲の歯肉が化膿、腫れを繰り返す。
- 親知らず自体が虫歯になっている。
- 親知らずが生えたことで粘膜に潰瘍ができる。
もちろん上記のような症状が全くないならば抜歯する必要は一般にはないでしょう。
また将来的に親知らずを他の歯への移植に使用する可能性があるかどうかも抜歯の前に検討する事項の一つでしょう。
一般的な診療の流れ
初診
口腔内診査、レントゲン、抜歯の必要度、個々のリスクや所要時間の診断、抜歯の予約
2回目
抜歯、消炎鎮痛剤、(抗生物質)、うがい薬処方
3回目
消毒と抜糸
- Q 親知らずを抜くのは痛い?大変?
-
A
一般に下顎の親知らずは大変なことが多く、上顎の親知らずは簡単で楽なことが多いです。
親知らずに限らず、抜歯の大変さを左右する因子としては、- 歯の根の形と大きさ
- 生えている位置・深さ
- 虫歯の進行度
- 歯周病の進行度
などがあります。
1. 根の形・大きさ
根が曲がっていたり、根の間に骨を抱え込んでいたり、膨らんでいればそれだけ抜歯は大変です。また大きく長いほど抜くのは大変になります。
逆に根が短いほど、根の形は円錐形でシンプルであればあるほど簡単です。
2. 生えている位置
深く埋まっている親知らずを抜く方がより大変です。また深い浅いに限らず、口の中で位置的に器具をかけやすい・かけにくいという操作性も抜歯の難易度を左右します。
また深い位置に埋まっていたり、長い歯根であるほど、周囲の神経や血管、鼻などの組織を障害するリスクが出てきます。
3. 虫歯の進行度
あまりにも虫歯が進行すると、器具をかけて力を加えたり、つかんだりできなくなります。
結果的に抜歯するには健康な固い歯の部分まで掘り下げる必要が出てくるため大変になります。
4. 歯周病の進行度
歯周病、親知らず周囲炎ともに、進行しているほど抜歯はしやすくなります。
移植・再植
条件が合うと歯のない部位に他の歯(や当該歯)を植え替える(植えなおす)ことが可能です。成功には抜歯とインプラント治療の両方に熟練した技術を要すると考えています。
しかしいずれも一度、歯周靭帯を断ち切ってしまうため、移植の場合は根管治療が必要となりますし、長期的には歯根吸収でその歯も喪失することになるリスク、支持力不足で隣在歯と連結が必要な場合などもあり得ます。
しかしインプラントや義歯、ブリッジをする前に検討する価値のある治療法の一つと言えます。
例えば、よくあるのは下顎の奥歯が何等かの理由で抜歯が避けられない状態になったが、対する上顎に親知らずがあり、サイズ的にもマッチする場合は、下顎の奥歯を抜歯と同時に、上顎の親知らずを抜歯して下顎の奥歯の抜歯窩に固定、生着させる、という治療です。
これにより、下顎奥歯はブリッジのために両隣りの歯を大きく削る必要がなく、高額なインプラント治療も、違和感のある義歯も不要で、歯根膜のある歯が取り戻せることになります。
再植というのは、例えば根管治療が奏功せず外科的な根管治療も難しい場合に、最後の手段で一度当該歯を抜歯して口腔外で原因除去治療をして抜歯窩に戻して生着させる、という治療法です。
これは顔面のケガで歯が抜けてしまったり、ゆるんでしまったり、深部に食い込んでしまったりした場合にも試される治療法で、うまくいく場合もあります。術前のCT診断が必要です。
当院では移植も症例が多くなってきましたがいずれも追跡できている範囲では全例成功しています。
移植には自費でしかできない場合と保険適用できる場合があります。
保険で移植ができるのは、抜かなければならない問題の歯を抜歯、と同時にサイズのマッチする親知らずも抜歯して、その場で移植する場合です。
自費では様々なやり方が可能になります。
移植、再植も自分の歯を使用できることの利点がありますが、一度組織を切断し、環境を絶ってしまう治療のため、うまく生着しない、徐々に異物排除機転が働いてしまう(吸収される)、などのリスクはぬぐえません。
口腔外科
口腔外科では、口内炎などの口腔粘膜疾患、歯の外傷(ぶつけて歯がかけた、おれた、抜けた、埋まった、)、口の中の外傷(裂傷、火傷、異物迷入)、口のなかのできもの、腫れ(腫瘍、嚢胞)、口の中が舌が痛い、痺れるなどの痛み、処置後の出血、異常経過、顎の異常、などを対象とする専門科です。
院長工藤は卒後東京医科歯科大学顎顔面外科で研修をしましたので、診察、診断、においては多くを当院でもカバーできますが、状況によって設備の整った病院、大学病院を紹介しています。